水質の汚れの度合いを示す指標のひとつ。数値が高いほど有機物が多い、つまり水質汚濁が進んでいて、溶存酸素が欠乏しやすい状態ということになる。
環境省の環境基準では、B域3mg/ℓ、C域5mg/ℓとなっている。
懸濁物質(SS)
懸濁物質の多い水は、透視度が下がり藻類の光合成を阻害する。また、汚濁の進んだ水では有機態比率が高くなり、その有機物の分解に溶存酸素が消費されるため生態系に大きな影響を与える。
環境省の環境基準では、AA域25mg/ℓ以下となっている。
化学的酸素消費量(COD)
水中に、過マンガン酸カリウムや重クロム酸カリなどの酸化剤で酸化される有機物などの物質がどのくらい含まれるかを示した値。この値が大きいほど水中の有機物は多いことになり、汚濁の程度も大きい傾向がある。
水道法では、水道水の水質基準項目の1つとして、COD10mg/ℓ以下と定めている。
溶存酸素
水中に溶解している分子状の酸素。溶存酸素については数値が低いほど水質が悪いことになり、水域からの悪臭発生にも関係がある。 空気中から溶け込むほか、水中植物の光合成によって供給され、水中生物の呼吸や、有機物の存在によって消費される。
環境省の環境基準では、AA域,A域7.5mg/ℓ以上となっている。
全窒素・全りん
この二つが多いと植物プランクトンの著しい増殖が生じることになる。
環境保全のための基準値は全窒素1mg/ℓ以下 全りん0.1mg/ℓ以下となっている。
考察
水質汚濁のグラフから、3月18日採取のデータの一部に若干の上昇が認められている。この差は、採取実施日の天候や採取場所によって誤差の範囲であるといえる。また、溶存酸素量の増加は、水質が改善し、水中植物の活動が活発化されたものであると考えられる。
全りんは自然界で生成されるものではないので、池周辺に設置してある枕木から、新たな(以前溶出していた範囲外から)木材保存剤が流れ出したのではないかと思われる。以上